訪問看護の仕事を始めたいものの、今の自分のスキルや知識が通用するのか不安…という人は多いのではないでしょうか?ここでは、訪問看護の仕事で特に求められるスキルや知識をいくつか紹介したいと思います。その多くは業務をこなすうちに身につくため、現在の自分にないからといって不安に思う必要はありません。ただ、何事にも向き不向きはあるので、どういった知識やスキルが必要になるかは事前に把握しておいた方がいいでしょう。
訪問看護では、基本マンツーマンで利用者さんのケアを行うことになります。当然、利用者さんの変化に気付けるのは自分だけです。そのため、訪問した30分から1時間程度で、前回訪問時と変わりはないかしっかりと観察する必要があります。ここで変化を見逃してしまうと、病状が悪化してしまう可能性もあります。利用者さん自身も気づかないSOSが、普段とは違う行動に現れている可能性もあるので、常日頃から観察する癖をつけておきましょう。変化や異常が見つかったら、利用者さん本人はもちろん、そのご家族やほかのスタッフへの共有をしっかりと行うことも忘れてはいけませんよ。
訪問看護の現場ではこまめな記録が大事です。数が多いため、簡潔かつわかりやすくまとめて記録する必要があります。訪問看護では、訪問看護計画書や訪問看護報告書を作成する必要もあります。訪問看護スタッフだけでなく、利用者さんやそのご家族、医師などにも見せる場面がありますが、あまりにまとまりがないと何を書いているのか理解してもらえない場合があります。そのため、簡潔かつわかりやすく記録するスキルは重要です。
訪問看護には、医療保険と介護保険の利用形態があります。基本的に要介護認定を受けている場合は介護保険が、要介護認定を受けていなければ医療保険が適用になります。ただし要介護の認定を受けている場合でも、特定の条件を満たしている場合は医療保険での訪問看護を受けることができます。こうした知識を把握しておけば、利用者さんに適切なサービスを提供できているかをしっかりと把握できますね。そのほか医療保険と介護保険それぞれの利用額の違いや、介護保険請求の特別管理加算などの知識は持っておいた方がいいと思いますよ。
もちろんこれらは働きながらだんだんと覚えていくものなので、最初からすべてを把握しておく必要はありません。
訪問看護の現場では、医療施設ほど高い医療スキル・知識は必要ありません。とはいえ、訪問看護でよく行われる医療行為はしっかりと把握しておきましょう。現場では基本助けてくれる人はいませんので、自分一人でこなせる必要があります。
【訪問看護でよく行われる医療行為】
・たん吸引
・点滴の管理
・インシュリン注射
・経鼻経管栄養・管理
・在宅酸素の管理
・人工呼吸器の管理
・胃ろう管理
・カテーテル交換
・ 褥瘡の処置
・ストーマの処置
看護師の資格があれは、訪問看護師として働くことができます。ただ病院勤務と訪問看護では業務内容や働く環境が大きく異なるため、自分にできるのか不安な人もいると思います。そんな人は、まず訪問看護でどんなスキルや知識が求められるのかを把握しておきましょう。それを把握した上で自分に向いていると思ったのなら、訪問看護師を目指してみてはいかがでしょうか?
転職先を探す際、勤務地や給料、福利厚生などの基本的な勤務条件は皆さんチェックすると思います。ただ、訪問看護へ転職する際はそれだけでは不十分なんです。例えばオンコールの体制や事業所の規模、運営母体の組織の違い、利用者さんの傾向などによって、労働環境が違ってきますので、はじめて訪問看護で働く人は要注意です。ここでは、訪問看護ステーションの求人を探すときに必ずチェックしてほしいポイントを紹介しますね。
病気や障害を抱える方たちの自宅での暮らしを、主治医の指示のもと医療面で支えるのが訪問看護師の仕事なんです。寝たきりの高齢者や終末期の看取りケアだけではありません。精神疾患や障害を抱えた方、赤ちゃんや若者など、年齢も病状も様々な方が対象です。医療処置、予防ケアや介護指導まで、幅広く関わりながら、コミュニケーションをとり、訪問看護を利用する方たちとそのご家族の生活をより良いものにすることが、訪問看護師の役目です。