訪問看護が未経験の人でも適性があれば、だいたい1ヶ月頑張ればすぐに現場で活躍できると思います。訪問看護というと経験豊富なベテラン看護師じゃないと務まらないのでは?と思う人もいるかもしれませんが、どれだけ腕の良い看護師でもコミュニケーション能力や主体性がなければ利用者さんから信頼してもらえません。では、どのような人が訪問看護に向いているのかご説明していきますね。
利用者さんにとって何が問題か、何が必要なのか、そういったことを自分で見つけ出して看護ケアを考えていけるような行動力のある人が向いています。訪問看護は基本的には一人で利用者さんの看護をします。病院では医師や看護師たちがたくさんいてチームで医療を提供しているので、なにかできないことがあってもフォローしてもらえるでしょうが、訪問看護の現場ではそうはいきません。情報共有もちゃんとしていないことも多くて、訪問してやっとわかるということも少なくないです。少ない情報でも自分の力で考えて行動できる人がより良いケアを提供できるんです。
また、自宅看護だと生活面でも医療的な面でも利用者さんを把握しているのは訪問看護師なので、指示待ちをするような受け身の人は問題を見落としてしまいがちです。
訪問看護では利用者さんごとに環境が違うので臨機応変に対応していかなければなりません。医療的な知識や経験もそうですが、いろいろな病棟での勤務経験がある人は向いています。とくに高齢者が多い内科での経験があるとなお良いです。訪問看護では高齢者が多いですし、複合的な疾患を抱えている人が多いので他の科より内科の経験者が良いと思います。がんや認知症、ALSなどの難病までさまざまな病気に対応しなければいけないので、広い知識を持った人が向いていますね。
また、リーダー経験がある人は、急変のときにも対応できると思うので安心ですね。病院ではいろんなものが完璧に整っているでしょうが、訪問看護では利用者さんによってご自宅・ご家族の状況、経済状況などバックグラウンドが違います。どんな環境においても介護できる環境を作れるような臨機応変な人が最適だと思います。
都会では自転車で訪問することも少なくないですし、とにかく移動が多いのが訪問看護です。10キロ以上自転車で移動することも日常茶飯事です。また、どんなに天気が悪くても天気を理由に訪問しないわけにはいきません。雨が降っていても風が強くても、真夏の暑い日も利用者さんのところへ行かなければなりません。そのような現場では体力が物をいいますので体力に自信がない人は向いていないかもしれません。
訪問看護では、利用者さんだけでなくご家族ともコミュニケーションをとらなければなりません。また、医師やヘルパー、薬剤師などいろいろな人がチームとなって利用者さんを支えています。さまざまな立場の人と良好にコミュニケーションが取れる人でないと訪問看護の仕事は難しいのではないでしょうか。
看護師の資格があれは、訪問看護師として働くことができます。ただ病院勤務と訪問看護では業務内容や働く環境が大きく異なるため、自分にできるのか不安な人もいると思います。そんな人は、まず訪問看護でどんなスキルや知識が求められるのかを把握しておきましょう。それを把握した上で自分に向いていると思ったのなら、訪問看護師を目指してみてはいかがでしょうか?
転職先を探す際、勤務地や給料、福利厚生などの基本的な勤務条件は皆さんチェックすると思います。ただ、訪問看護へ転職する際はそれだけでは不十分なんです。例えばオンコールの体制や事業所の規模、運営母体の組織の違い、利用者さんの傾向などによって、労働環境が違ってきますので、はじめて訪問看護で働く人は要注意です。ここでは、訪問看護ステーションの求人を探すときに必ずチェックしてほしいポイントを紹介しますね。
病気や障害を抱える方たちの自宅での暮らしを、主治医の指示のもと医療面で支えるのが訪問看護師の仕事なんです。寝たきりの高齢者や終末期の看取りケアだけではありません。精神疾患や障害を抱えた方、赤ちゃんや若者など、年齢も病状も様々な方が対象です。医療処置、予防ケアや介護指導まで、幅広く関わりながら、コミュニケーションをとり、訪問看護を利用する方たちとそのご家族の生活をより良いものにすることが、訪問看護師の役目です。